チコル城址、城郭内部の探索を終えて

報告書番号:2011-12-26

チコル城址。昔話で有名なこの地も、今では不死者達の巣窟となっている。
既に私はこの廃城での探索を終え、イルファーロへの帰路についていた。

私の鞄の中にはここへ来た目的が眠っている。
マッコイさんから頼まれた、彼の友人の亡骸を探し出して遺品と共に持ち帰ること。
彼が残した城内の壁に刻まれた最後の言葉を思い出すと涙ぐみそうになる。
彼に本当の安らぎを与えるためにも、彼を待つ者がいる町へ急がなくては。

そんな気持ちの中だったが、ふと足を止めてチコル城を振り返る。
廃城は鬱蒼とした暗い雲を戴いていて、どこからか聞こえてくる旋律はこの城を覆っている雲と同様に憂鬱で物悲しげだ。
この遺体と魂は、彼を待つ友人の下へと帰れるけれど、この城の昔話の住人達は、これからもずっと愛犬の帰りを待ち続けるのだ。

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