カオカ・パラージ遺跡の地図作り 犯罪者の罠

報告書番号:2012-02-08

恐るべき罠

それは肌寒いある日の、ボル・ナ・ヤーの道での出来事だった。 私は遺跡に着くと羊皮紙を広げ、ここまで書いてきた地図の下書きに目を落とした。 このように、私が地図を作るときは”エクセル”と呼ばれる図法で下書きをし、宿に戻ってから清書に取り掛かっている。

その時だ。目の前に不穏な赤い影がちらりと見えた。これは犯罪者(PK)!
私はすぐに腰の剣を引き抜くと身構える。襲い掛かってくる犯罪者。しかし相手からのダメージは低い。なにやら素手で殴りかかってきていた。いくら犯罪者と言えど丸腰の人間を斬り捨てる剣など私はもっていない。こちらも剣を収め素手での闘いに移ろうか、そう思ったところで相手の拳をよく見るとそこには暗器が握り締められていた! おのれ、なんて卑怯な! 私はそのまま剣で斬りかかった。

しかし私の攻撃も相手には大して効いていないようだった。これまで犯罪者には一方的にやられるか、逃げることしかしていなかった私では有効打を与えることはできない。まずい、ヒールを使えない今の私ではこのまま続くと体力が尽きてしまう。そうだ! 私は名案を思いついた。

現在地は遺跡の入り口付近。ここからすぐ遺跡方面へ向かえばそこには回復の泉がある。そこでならすぐに体力を回復することができる。そうすれば何度攻撃を与えても倒れない私に相手は怖気づき戦意を喪失させることができるのでは!? 私が相手を倒すことは難しいけれど、相手にも私を倒すことは難しそうだと思わせることができれば撤退していくかもしれない。私は急いで回復の泉へと駆け出した。

しかし、無事に泉の水を飲んだところでそれに気付いた。しまった! 泉の水は無限に湧いているわけではないのだ。飲める回数には限りがあった。それに相手も人間だ。私が泉の水を飲んでいるとき、相手もその赤い体を癒すことができるのだ・・・・・・。こんなことに気が付かなかったなんて! 作戦は失敗した。急いで逃げ出さなければ! けれどなんてことだろうか。後ろは回復の泉に、前は犯罪者に阻まれていてここから逃げ出すことができない。くっ、なんて卑怯な! どう足掻いてもここから逃げ出すことは出来そうになかった。

その時だ! 私と犯罪者の側に冒険者の人影が見えた。剣を携えた者として恥ずべきことだけど助けを、助けを呼ばないと・・・! 助けを呼ぶ前にその人影はこちらへ向かってくれた。良かった。これで助か・・・・・・。

・・・・・・え? 近くまで来たその人影から伸びた長槍は赤い残像を纏っていて私の体を一突きにした。そんな・・・・・・仲間の、犯罪、者・・・・・・? 恐ろしい者たちだ。素手だと相手に油断させることから始まり、次は回復の泉に向かうように誘導し逃げ道を封じ、最後に援軍を持って止めを刺す。なんと周到に用意された仕掛けなのだろうか。

私は長槍の一突きで抵抗する気力を無くしてしまった。霞んでいく意識の中、すぐ傍の回復の泉から流れる水が目に入った。この澄んだ水に、濁った赤色が混ざるのも時間の問題だろう・・・・・・。

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