跳躍の先にあるもの

報告書番号:2012-02-26

チコル城の謎

私は悩んでいた。この空中廊下の少し下に見える壊れかけた足場に飛び移れるのではないかと・・・・・・。

チコル城址はこれまでの迷宮よりも複雑な構造になっていて仕掛けも多い。特にミッドナイト卿のいる広間を抜けた吹き抜け部分から見える向こう岸にある宝箱。 あの場所に辿り着くための道というのはまだ発見されていないらしいのだ。

今立っているこの場所。ここから落ちたら私の体はその衝撃に耐えられず死んでしまうだろう。けれどもしあの足場に着地できたら? あの足場からならば地面との高さに差が少なくなっている。つまり落下の衝撃を抑えることができる。それに例え落下死してしまうほどの高さでも一度壁にぶつかることで落下の衝撃を和らげ、大ダメージを受ける程度で済ませられるのはカリグラーゼ下水道の空中廊下で実験済みだ。

(アヴルール神様、どうかご加護を)

私は跳んだ! 迷宮の探索のためにこの身を空中に投げ渡した。空気を越え、柱を越え、足場を越えて! え? 足場?! べぶし!! その瞬間に私は強い衝撃に襲われた。それはまるで体中の骨が、体中の肉が全てなくなってしまったかのようだった・・・・・・。 足場、それは飛び越えてはならない一線。こんなにも真っ暗な岸下に落ちた私の死体なんて誰にも見つけてもらえないだろう。冒険者にも、ここの亡霊達にも・・・・・・。

チコル城址、探索の記録一覧へ戻る

報告書の先頭に戻る
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。