獄中にて…… 化け狸との戦い その2

報告書番号:2012-05-19

その1からの続き。

牢獄内に突如として現れたこの男には覚えがあった。

そうだ、かつて広場で襲ってきたドワーフだ。常人離れした強さだとは思っていたけれどまさか本当に人ではなく化け物狸だったなんて……。

どうやら向こうは大人しく牢屋で過ごすつもりはないらしい。おそらく脱走を企てているのだ。だから口封じのために私たちを手にかけるつもりだ……。この男の強さは十分知っている。私と猫君が二人がかりで戦っても勝ち目はないだろう。

やはり……またしても殺されてしまった。

悔しい。なんとかDAからホーリーライトに繋げてあの悪しき化け物狸に一矢報いたかったけれどそれすら叶わなかった。私が復活すると既にこの牢獄からは逃げ出した後だった。

悔しいけれど、これで落ち着いて罪を償えるだろう。私は再び奥の部屋へ戻ろうとしたら……。

またしても化け狸だ。脱獄したのではなかったのだろうか。一体どこに潜んでいたのか……。
けれど迷うのは後だ。この距離が開いている今のうちにバックステップで更に距離を取って私はDAを、神の守りを得る。これでホーリーライトを撃ち込める。化け狸め、神の裁きを受けるがいい!

我は神罰の執行人、汝の頭上に断罪の槌を振り下ろす者なり

汝の手を引くは天からの使いか

弊衣を纏う死からの使いか

最後の審判に臨み給え

ホーリーライト!

そんな……あり得ない……。
私の渾身のホーリーライトがたったの1ダメージしか与えられないなんて……。

猫君や私の様子を見に来てくれたノエルちゃん達がなぜか笑っているのも気になるけれどあり得ない……。

くっ……! 犯罪者に、情けをかけられるなんて。

アヴルール神様、私に力を!

私の身を案じてかけつけてくれたノエルちゃんが私たちに何かを伝えたいようだったので話を聞くと、どうやらこの牢は牢獄とは名ばかりのザル部屋でトイレからスラムへ抜け出せるようになっているらしい。それにこの牢に長くいることは危険だとも。

たしかにさっきみたいに衛兵に連行されてきた犯罪者に牢屋内で殺されてしまうかもしれない。
けれど、罪を償う前に脱獄だなんて……。

………。
……。
…。

アヴルール神様。
私は罪を重ねることにします。


続く

夢幻の試練場、探索の記録一覧へ戻る

報告書の先頭に戻る
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。